LIFESPAN(ライフスパン)老いなき世界
と
人新世の「資本論」
を読んで思ったこと。
ライフスパンについては、図書館で予約してたんだけど、かなり順番待たされたのでネットの口コミとかを読んで「長生きのコツやサプリ」についてはすでに知ってた。
なので実際に本が手元に回ってきても「フンフン、ネットで見た通り」と思いながら読んでたんだけど、意外と長生きによる功罪の「罪」の部分や大量消費・大量廃棄や広がる格差についても触れてる。そしてその部分の方が面白かった。
(著者は「罪」の部分さえも長寿寿命と科学技術で克服できると言ってるけど)
「あなたの体は9割が細菌」の中の一説を思い出した。
生物の授業で地球史の概観を教えるとき、両腕を広げて説明してくれる先生がいる。
右手の中指の先端が46億年前の地球誕生。左手の先端が現在。地球の岩石が冷え固まって、細菌という形の生き物が誕生するのは右のひじ。
それから30億年ほどかけて、単純な動物が生まれるのは左の手首。
体毛をもつ哺乳類が登場するのは左の中指のつけ根。人が現れるのは中指の爪の先の先だ。やすりで中指の爪を一回こすっただけでヒトの歴史はあとかたなく消えてしまう。あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた より
地球の誕生からしてみれば、人類の出現はつい最近のこと。
それなのに支給の資源を食い尽くしてしまっていて、理論物理学者の故スティーヴン・ホーキングはこの「壊れやすい惑星」について「人類はあと100年のうちに新しい住みかを見つけた方がいい」と説いたそう。
自分さえよければいいと言う「我が亡き後に洪水よ来たれ」ではなく、行動を起こさなくてはならない。
経済学者ケネス・E・ボールディングはかつて「指数関数的な成長が、有限な世界にお いて永遠に続くと信じているのは、正気を失っている人か、経済学者か、どちらかだ」と 述べたとされる。それから半世紀以上がたち、環境危機がこれほど深刻化しても、まだ私たちはひたすら経済成長を追い求め、地球を破壊している。経済学者的な思考は、それほ ど深く、日常に根づいてしまっているのだ。私たちは「正気を失っている」のかもしれない。
人新世の「資本論」より
身近な例でいえば、100年に1度の規模の自然災害が多発したり、みんな毎週クレジットカード1枚分のプラスチックを水、ビール、貝、塩などから体内に摂取してる。今の状況を改善するには、経済成長を諦め、1970年代後半の生活レベルまで落とすことが必要。
「資本主義をやめて資源をみんなで共有し管理する共産主義を目指そう」という脱成長コミュニズム」について説いてるのが人新世の「資本論」。
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