前回の続き。
永田カビの「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」を読んで思ったことをつらつらと。
この漫画の中で度々出てくるキーワードが「正社員」。
両親との会話で、
過食を克服して週5のバイトを始めても
「でもバイトでしょ。正規雇用じゃないでしょ」と言われたり
バイトで100万貯めて一人暮らしを始めようとしても
「アルバイトだから部屋貸してもらえないよ。」と言われたり
「家にお金入れることにしたから」と言っても
「受け取れないわ。正社員になってからでいいよ。」
と言われたり。
呪いのようにカビに襲い掛かる。
よそのご家庭の事情ではあるけど、
もうちょっと両親に理解があればカビもここまで拗らせなかったのでは?
と思ってしまう。
この本で有名になった後(2018年にハーベイ賞BestManga部門を受賞!)に出版した「一人交換日記」の中で
まぁ、親としてはそうなんだろうけど。
そういえば、最近フランス語を勉強し始めたんだけど、おそらくクラス内の母親の中で私が一番フランス語がヘタクソ。
その話を長男にすると
「誰のママがフランス語上手とか下手とか、誰もクソも気にしてないよ」と言われた。
あ、そう。
気にしてないの?
まぁ、よその家のBBAと一緒に遊ぶ訳でもないし、そりゃどうでも良いよね。
「人と比べるのは良くない」って分かってはいるものの、人と比べないと自分の立ち位置が確認できないんだよね…。
それにやっぱり人の事って気になっちゃうし。
カビちゃん、いい子だな~。
でも精神病むほど悩まなくても…と思ってしまう。
人と比べなくても良いと分かっていても、つい比べてしまうんだよね。
カビちゃんのお母さんもきっとそうなんだろう。
そして私も。
日本文藝家協会に加盟してる職業作家の中でも平均年収は200万台らしい。
中央値ではおそらく100万円台。
カビちゃんは会員じゃないけど、出版業界ってなんという厳しい世界。
youtuberの方が稼げるかもね。
正規非正規については、「新・日本の階級社会」の中で橋本健二が
日本には新しく「アンダークラス」という階級が出現し、それはパートやアルバイト、派遣社員としての労働者が多く、平均年収が186万円で日本には約930万人いるとされてる。
とその実態を詳しく解明してる。
(この本も佐藤優がオススメしていたので読んだ本。もう私の半分くらいは佐藤優で出来てるかもしれん。)
今、さらにコロナ禍で貧困層が増えたと言われている。
「うちの会社はコロナの影響はないし、ボーナスも出たし自分には関係ない」
と思ってても、社会はみんなと繋がっているのでそんな訳にはいかない。
また貧困層が増えれば、税を払うことができない人が増大し、同時に社会保障支出が増大する。ここから生じる社会的コストはどの程度になるだろうか。総合研究開発機構(NIRA)は、次のような試算を行っている。若者非正規労働者が激増しはじめたのは、いわゆる「就職氷河期」と呼ばれた時代である。この時期に社会に出た若者の一部が、そのまま非正規労働者にとどまり、今日のように巨大なアンダークラスが形成されたのだった。NIRAは、この世代が老後に生活保護を受けるようになった場合に、必要になる追加の費用を推計した。
これによると、就職氷河期の到来は、2002年までに非正規労働者と無業者を191.7万人増大させたが、そのうち77.4万人が65歳になった時点で生活保護の対象となる。彼・彼らが残りの障害にわたって生活保護を受け続けたとすると、その費用は17.7兆円から19.3兆円になるという。
(総合研究開発機構「就職氷河期世代のきわどさ」)
これは日本の国家予算の1/4にあたるそう。そうなると、福祉システムではどうにもできず、将来はホームレスがあふれるのでは…。
そして格差が大きく、貧困層が増大した社会では犯罪も増加する。
もし受刑者が増加した場合、年間約300万/人と言われる受刑者の費用の増加につながる。(受刑者が高齢者の場合はさらに医療費も掛かる。)
そうなる前に、福祉政策や職業訓練を充実させてその費用に転換すれば、コストカットが出来ると思うし、思い詰めて自死を選ぶ人も減らせるのではないかと思う。
それにしても、「普通に生きる」ことの難易度がどんどん上がっている気がする。
何か私にも出来ることないかな、例えば塾に通って居ない子の英語の宿題のお手伝いなら私にできるかな、と思って地元の自治体の学習支援ボランティアを検索したら、応募対象は30歳以下だってさ(´・ω・`)
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